ピンチこそ最大のチャンス!! -小さな酒蔵が起こした奇跡
9月も下旬となり、もうすぐ空きが到来する季節。夏のビールもいいですが、個人的には冬の熱燗も待ち遠しくなってきました。
日本酒といっても、こんなにも種類があることをご存知でしょうか。
・本醸造酒(ほんじょうぞうしゅ)
・吟醸酒(ぎんじょうしゅ)
・大吟醸酒(だいぎんじょうしゅ)
・純米酒(じゅんまいしゅ)
・純米吟醸酒(じゅんまいだいぎんじょうしゅ)
・純米大吟醸酒(じゅんまいだいぎんじょうしゅ)
・特別純米酒(とくべつじゅんまいしゅ)
・特別本醸造酒(とくべつほんじょうぞうしゅ)
(参照サイト:http://www.osaketo.jp/blog/sake-type/)
日本酒は日本各地に酒蔵があり、各々異なる特徴を持っていますが、銘柄が多い分、競争率が高く、生き残りが難しいということです。
今では、日本で知らない人がいないほど有名になった、
「獺祭」を製造する「旭酒造(https://www.asahishuzo.ne.jp/)」。
会長をつとめる桜井博志氏が、東京工科大学で講演を行い、会社が歩んできた軌跡を語ってくださいました。(http://www.msn.com/ja-jp/news/money/)
獺祭の製造においては、酒づくりを徹底的にデータ化・マニュアル化し、さらに温度管理システムを導入し、冬場の低温下でしか製造できなかった日本酒を年間を通して安定して製造できるようにしただけでなく、大量製造・大量販売という論理を捨て、顧客の幸せを第一に考えるという理念のもと、中間流通を業者を一切使わず、浮いた資金を社員教育や設備投資などに回すことで、品質のさらなる向上に努めています。
獺祭は近年、海外のワイン通にも好評で、現在、欧米や中東をはじめ、タイやインドネシア、エジプトなど、世界約20カ国で売られており、その人気が故に新たな課題が浮き彫りになりました。
それは、原料となる山田錦の不足。山田錦は酒用の原料米として需要が高いにもかかわらず、栽培が難しく、収穫量が安定ぜず、それ故に生産農家も限られているという問題がありました。
そこで、銘酒「獺祭」とICTがコラボレーションし、富士通の開発した食・農クラウド「Akisai」(アキサイ)を導入し、改善に取り組んでいます。農業生産管理システムと各種センサーを組み合わせて情報を収集し、次年度の栽培にも、その情報を活かし、安定供給を実現化しつつあります。
実は、温度管理システムを導入を決めたのも、同時の日本酒づくりの職人が全て辞めたことがきっかけだったようです。
「何か新しいことをやろうとすると、必ず向かい風を受ける。でも、向かい風を受けるからこそ、飛行機のように高く高く飛ぶことができる」と聞いたことがあります。
西日本豪雨での被災で、当時約70万本が発酵途中だった獺祭のうち、58万本の温度管理が不十分となり、出荷できない状態となりましたが、持ち前のピンチをチャンスに変える力で、漫画「島耕作」シリーズ(弘兼憲史作)に「獺祭」がモチーフの酒が登場する縁で、同作品とのコラボが決定。品質が出荷基準に満たなかった酒のラベルに「島耕作」を描き、「獺祭 島耕作」と名付けて1200円で販売したのだ。
さらにそれを、「獺祭 島耕作」は直営店で完売。1本当たり200円を被災地への義援金に充てたため、岡山、広島、山口、愛媛の4県に総額約1億1600万円を寄付することにも成功し、地域の復興にも役立てています。
「幾度なく来るピンチを乗り越えて、この味がある。。。」と思いにふけながらいただく「獺祭」。皆さまもぜひ、味わってみてはいかがでしょうか。
獺祭の蔵元|旭酒造株式会社: http://www.msn.com/ja-jp/news/money/